パーソナルスタイリストの政近準子さんが書かれた、『「素敵」の法則』です。
人は着るものにより、存在感まで変わって見えます。毎日必ず服を着るのですから、無難に留まらず、もっとあなたの魅力を輝かせてくれる服を着たほうが、絶対によいと思います。序章に書かれた一文です。
そうは言ってもどうしたらよいか分からない、そんな人のためにこの本はあります。
第1章では、一見何の問題もなさそうに見える、シンプルでベーシックな装いに潜む落とし穴や、実は「定番」ではない「定番」アイテムのこと、十八番アイテムを持つことの意義など、あと一歩おしゃれにならない理由について10の項目から書かれています。
その中で、高級ブランドとの付き合い方や、流行との付き合い方については、かねてから私が思っていたことが明文化されたという感じで、私の考え方を後押ししてもらった気分でした。
また、この章の中で、高い服はよい服か、ということについて書かれた項があります。
「よい服とはなんですか」と訊ねられたら、それは「高い服」ではなく、「品質と価格のバランスがとれていて、着心地のよい服」と即答します。この答えは非常に納得の行くものでしたが、一朝一夕にはいかないということを改めて認識させられた部分でもありました。
(中略)
価格に対する服の価値を測り、見分けるためには、やはり試着して体感することが一番です。
この本で特筆すべきは、第2章のファッションテイスト診断です。
顔立ちと体型、この2つのアプローチで診断を行い、最後にそれぞれの結果を総合して、8つのファッションテイストのうちどれが一番その人の魅力を引き出すものであるかを教えてくれます。
その8つのファッションテイストとは、次のとおりです。
ノーブル系私の場合、診断を行ってみたところ、この短い説明から予想していたのとは違う、予想外の結果となりました(それについてはこちらの記事をどうぞ→ファッションテイストはニュアンスボーイ)。
ノーブルフェミニン(上品で繊細、女性らしい)
キャリアクラシック(きちんとして知的、信頼感がある)
クール系
マニッシュクール(都会的、格好よくてクール)
アジアンスマート(東洋的、ミステリアスでシャープ)
キュート系
アクティブキュート(親しみやすく元気、ガーリー)
ニュアンスボーイ(ナチュラル、ボーイッシュ)
ワイルド系
ワイルドシック(ワイルドでスポーティー、リッチ)
エキゾチックセクシー(エキゾチックでセクシー、開放的)
この診断の目的は、自分を客観的に知ること。
そのうえで自分のよさを生かすおしゃれをしましょうというのが趣旨です。
診断前の予想には自分の理想が多分に入っていたということに気付く、よいきっかけとなりました。
また、顏と体型のタイプが異なったり、顔立ちに2つのテイストが混じるなど、複数のテイストにまたがっている人も大勢いるわけですが、それぞれのテイストの解説だけではなく、テイストミックスタイプさんはもちろん、そうでない方がマンネリや物足りなさを解消するために、2つ以上のテイストをミックスする方法についても書かれていますので、これはとても参考になります。
第3章、第4章では、おしゃれのベストバランスの探し方や、足し算引き算の仕方、服を素敵に着こなすためのちょっとしたスタイリングのコツなど具体的なことについても触れています。
第5章では、「美しく年齢を重ねるために」として、40代からの服選びについてのアドバイスも書かれていますので、これからその年代に差し掛かろうとする私や、このブログを読んでくださっているたぶん同年代と思われる方には一つの指針になることと思います。
そして最後の「スタイルは持つ、でも凝り固まらない」という項において、さきの診断などで自分の軸となるテイストやスタイルが決まったとしても、そこに固執してしまうのではなく、さらにその先の「素敵」へとアップデートしていってほしいのだと、政近さんは書いています。
もうとにかく何を着たらいいのか、どう着たらいいのか分からない、という場合には、前著の『「似合う」の法則』と併せて読むと、まずファッションの基本をおさえたうえで自分に合う着方を知ることができるので、より効果的ではないかと思います。
素敵に見えるための、小手先でなくかつ具体的なテクニックを知りたい方にお勧めの1冊です。
↓参考になりましたらポチっとしていただくと励みになります!